【Lo-fiの原点】ジャズヒップホップのおすすめアルバム3選

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1991年。当時ニュースクールの筆頭として注目を集めていたア・トライブ・コールド・クエストの2ndアルバム『The Low End Theory』でグループの中心メンバーであったQティップジャズドラマー”アート・ブレイキー”のレコードをサンプリングし、ベース奏者”ロン・カーター”を起用したダブルベース・サウンドはジャズヒップホップをメインストリームへ導くきっかけとなりました。

演奏を行うことに重きを置いた”モダンジャズ“に大きな影響を受けたジャズヒップホップは2000年代になると、アコースティックピアノやソプラノサックスなどを取り入れ、より大衆的な音楽へと派生していきます。

そんなジャズヒップホップと呼ばれているサブジャンルを語る上で、日本人アーティストの存在は欠かすことができません。

最近、配信サイトを通じて話題となった”Lo-fi HIPHOP“が注目を集めているからです。
(ローファイは元々”録音環境が悪いこと“を貶したスラングで、未完成のジャズ音源などを指していましたた。Lo-fi HIPHOPでは音のひずみを利用したチル”リラックス”できるようなヒップホップの事を指していると思われます)

本記事では、近年のジャズヒップホップ(Lo-fi HIPHOPの原点)ブームを牽引したアーティストのおすすめアルバムを3枚ご紹介したいと思います。

 

Nujabes 「Modal Soul」

ヌジャベス

2010年に不慮の交通事故によりわずか36歳で亡くなったヌジャベスは、Lo-fi HIPHOPの先駆者と言われており、今もなお世界中で愛されるDJ、トラックメーカーです。

その背景には、文学的なリリックが魅力的なバイリンガルMCである”Shing02“がラップを披露した『Luv Sicシリーズ』の流行や日本のアニメ”サムライチャンプル―“のBGMを担当したこと。そして、デビュー当初から世界中に向けて、音源を発信し続けた行動力の賜物と言えるでしょう。

今回ご紹介する『Modal Soul』は、2005年に発表されたヌジャベスの生前、最後となってしまったスタジオアルバムである。

魂の本質“をテーマに落とし込まれた楽曲は、力強いスネアとベースライン。元々、レコード屋を営んでいたヌジャベスにした編み出せないであろうサンプリングセンス。生音にこだわったキーボード、サックスに民俗楽器を組み合わせたようなトラックが特徴です。

彼の音楽を何度リピートしても退屈しないのは、美しい中にも管楽器や打弦楽器のダイナミクスな表現力が、聴くたびに違う一面を見せてくれるからでしょう。

花、海、土地の光、そして地平線。
本作品、そしてジャケットの冒頭に刻まれた彼からのメッセージは、今一度私たちが向き合わなければいけない問題の1つなのかもしれません。


【Shing02を客演に迎えたLuv Sicシリーズの3作目。音楽を続けていく上での苦悩と一から作り上げる楽しさを綴った楽曲】


【のちにヌジャベスの後継者としてLuv Sicを手掛けるサックス奏者”宇山裕人”の演奏が光る作品】


【ジャズベーシスト”ラリー・リドリー”のサンプリングビートを使用。古き良き日本の風景が蘇るような作品】

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Nomak 「recalm」

ノーマーク

Nature(自然)、Culture(文化)、Peace(平和)という素材を用いて作品を創造する音楽、写真撮影やファッションまで手掛けるマルチクリエイター。

本作は、大ヒットしたデビューアルバム「calm」のリミックスアルバムであり、日米欧などからジャズヒップホップを代表するアーティストが参加して話題となりました。

さらにノーマーク自身のセルフリミックスも収録されており、当時(2008年)のジャズヒップホップシーンを象徴するような作品である。「calm」と聴き比べるもの面白い。


【フォーク、ソウル、ジャズなどの黒人音楽に民俗楽器、現代音楽を組み合わせたサウンドが胸を打つ南米チリのラップクルー”Elefante Mecanico”によるRemix】


【管楽器や弦楽器が織り成す美しい音色にラガテイストのフローが魅力的なオランダを代表する女性ラッパー”Melodee”を客演に迎えたノーマークのセルフプロデュース曲】


【自主制作盤がノープロモーションであるにも関わらずチャートで1位を獲得したり、日本を代表するラップグループ”m-flo”関連の作品に多く携わったことで知られるDJ DeckstreamによるRemix】

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Michita 「One」

ミチタ

北海道出身のDJ、トラックメーカー、プロデューサー。
元々は、DJとしてキャリアをスタートさせ、北海道を代表するヒップホップクルーであるマイクジャックプロダクションとの出会いにより、楽曲の制作を開始。

DJ時代に経たソウルジャズの知識を発揮したサンプリング力+旋律なピアノの音色を基調としたトラックは、単なるメロウなリスニングミュージックでは収まらずアーバンジャズやヒップホップのドラムベースが所せましと散りばめられています。

ジャジー/ブレイクビーツ(ドラムフレーズを切り取り、新たな音を産み出す手法)とヒップホップをコンセプトとした”Libyus Music“より発売されたデビューアルバムである本作は、アンダーグラウンドのヒップホップシーンで語り継がれた名作である。


【本作をリリースする前に同レーベルより発売されたコンピレーションでもっとも人気を博した一曲】


【「One」のリリースからまもなくして発表されたアルバム「Two」にてハワイ出身の詩人”Meiso”が『ソラニシラレヌ』という失恋ソングを歌ったことでも有名なインスト】


【シンガーで唯一のクレジットとなったスウェーデン出身のジャズシンガー”キッシャー”の美しい歌声が心地良い作品】

ONE
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まとめ

サンプリングビートをチョップ(切り刻む)/ミックス/ループすることによって産まれたヒップホップの”在り”方は、より“自分なり”の表現を重視した音楽へと移り変わっているように感じます。

本記事でご紹介したジャズヒップホップ(Lo-Fi HIPHOP)に関しても、アーバンジャズや民俗楽器、アンビエント(環境音楽)を組み合わせて、様々なスタイルを産み出していきました。

彼らには共通することが一つある。それは、自然を表現すること、自然と共に生きることをとても重要視していることです。

ヌジャベス氏の「Modal Soul」の内ジャケにはこんな言葉が綴られています。

最近、世界の全てが奇跡のように見える時がしばしばある
それはきっと、今見ているこの世界が数年後には夢のように思い返すような道を
彼らが、そして僕らが選び続けていることと関係している

コロナ騒動で食傷気味になっている中、何十年振りに活動が確認されたジュゴンの群れやウミガメの産卵の記事をみて、この言葉を思い出しました。

ヌジャベス氏が、もし””を生きていれば、この状況をどのように表現するのでしょうか?

自分たちの暮らしの”在り”方というものを見直してみることも大切なのかもしれませんね。

We,re tribe living with music.
Music is mine/music is yours.
(音楽は僕らと共にあり、僕らは音楽と共にある)

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